2015/01/13

「私はシャルリーだ」と言いづらくて(その1)

 私はツィッターで様々な国の新聞社(といっても日英仏西中の言語で書かれたアカウント)をフォローしていて、TLをだらだら流して、知ってる意味の言葉を拾ったり、時に翻訳サイトにコピペしたり、更に電子辞書を叩いたりして外国のニュースを解読するのが好きなんですが(と言っても、理解できるのはごくわずかだし、目が疲れるから、単に眺めるだけの事が多いんですが)、1月7日の夜、スペインの『エル・ムンド』電子版や『エル・パイス』電子版からのRTやTWからフランスの諷刺漫画紙『シャルリー・エブド』の画像が流れるものだから「まーた、あそこ何かやらかしたのか」と思い、フランスの『ルモンド』電子版のTWを解読したところ、リンク先の記事の見出しが「『シャルリー・エブド』本部が襲撃されて、少なくとも10人が死亡」と書いてあって、ものすごく驚愕したのでした。思えば、私が事件に気が付いたのが20時37分、事件発生が現地時間の11時20分頃(→こちら)、日本との時差は8時間だから、日本時間で19時半(前掲のリンク先の記事は日本時間を間違えていると思う)だから、事件発生から1時間ちょっとで現場から遠く離れた日本に伝わるのだから、ツィッターの威力は凄いものです。


 そして、フランス語なら『ルモンド』紙電子版(→こちら)、英語なら『ガーディアン』電子版(→こちらと、その後→こちら)が事件の経過が刻一刻と伝えるものだから、かなり長い間パソコンに張り付いたものでした。


 しかし、陰惨な現場から遠く離れて、しかも炬燵でぬくぬくしながら画面に釘付けになっているのも火事場見物みたいで何か不謹慎な気がして、気が咎めたりもしたのですが、それだけ張り付いたからには、一申し上げたいのですが、フランスの通信社の日本語版サイト「AFPBB NEWS」の報道で「パリ新聞社襲撃、フランスの一流漫画家4人が犠牲に」(→こちら)と書いてあるのですが、その後、5人目の漫画家の死亡が報道されてる(→こちら)のに、フランス本国でも認識していない人がいる模様(追悼イラストなど見ると)で、困惑しました。だって、目にしたTWやRTの1人1人に突っ込みを入れる気にはなれませんでしたから。ただ、英語報道で気になっていた、出頭した18歳の若者は、実は実行犯でなかった事が確定したのは(→こちら)、良かったと思いました。すると、実行犯は襲撃犯2名という事で良いのでしょうか。当初、実行犯は3名と報道されていました(→こちら)が…。仏当局は関係者数名の身柄を拘束しているとの事ですから、いつか事件の全容が解明される日が来るのを待ちたいと思います。


 事件の経過を見つめつつ思っていたのですが、私は、襲撃犯2人には死んで欲しくなかった。生きたまま逮捕され、法の手続きにのっとって動機、背後関係、武器の入手経路等々が明らかにされ、法の裁きによって刑に服し、更正の道とが探られんことと事件の再発防止を祈っていました。最終的に人質をとって立てこもった上に銃撃戦をなってしまっては(→こちら)射殺もやむを得なかったとは思うのですが、私はこの2人には投降して欲しかった。フランスを始めEUは現在死刑制度が廃止され、近年、日本に対してもそれを促しているのだから、この事件がどう裁かれるのか知りたかった。また、犯人だって、死刑制度が無いなら投降すれば良かったのに、何故死ぬ事が確実な選択をしたのか、疑問にも思いました。



 この事件を受けて、フランスでは「JE SUIS CHARLIE(私はシャルリーだ)」のスローガンが生まれ、多くの人がそれを掲げ、表現の自由を守るべく連帯(solidarité)を訴えています。11日にはフランス全土でテロに反対するデモが行われ、パリでは幾つかの国の首脳を含めた大がかりな行進が行われたとの事で(→こちら)、参加者の多くが「JE SUIS CHARLIE」のプラカードを掲げている模様でした。ツイッターのアイコンや背景画面に表示させているアカウントも、フランス以外の国々でもみかけます。確かに、テロによって表現の自由が脅かされる事は、決してあってはなりません。でも「私はシャルリーだ」って、私はすごく言いづらい…。


 (長文につき、いったん文章を区切ります。)