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2016/08/19

『Long Way North(Tout En Haut Du Monde』英語版公式サイトとtwitterアカウント




 当ブログ2016月3月30日付け記事でご紹介した、フランス・デンマーク合作長編アニメーション映画『Tout En Haut Du Monde』が、英語題『Long Way North』として、来月9月30日にアメリカで公開されるとの事で(→cartoonbrew2016年8月13日付け記事)、英語版公式サイトが出来ていました(→こちら)。主人公サーシャさんのtwitterアカウントも(→こちら)。


▼Long Way North Movie
long_way_north_movie.jpg


▼Sacha(@LongWayNorth)さん | Twitter
sacha_long_way_north.jpg


 英語圏で上映されると、日本公開への道のりがぐっと近くなるように思うのですが、興行関係者の皆様、いかがでしょうか。是非ご検討を!


(最終更新日:2016年8月19日)

2016/08/11

『Ping Pong Rabbit(无敌乒乓兔)』トレーラー、ティーザー



 『ピンポン・ラビット』なのに動画タイトルの綴りが「ping-pong rabbit」とならずに『PingPang Rabbit』となっているのは、中国語のピンポン「乒乓球(ping1pang1qiu2)」のピンイン表記を用いているからなのでしょうか。この映画に興味を持ったので、ちょっと調べてみました。中国語の題名は『无敌乒乓兔(日本語の漢字にすると、無敵卓球兎)』で、制作が中国の「Mili Pictures(米粒影业)」、プロデューサーが『ハイスクール・ミュージカル』や『カンフーハッスル』等のプロデューサー、ビル・ボーデン、監督が『コープスブライド』で共同監督を務めたマイク・ジョンソンと、『龙之谷(Dragon Nest)』の宋岳峰(Yuefeng Song、ソン・ユエフォンと読むのかな…)という、中国と米国の合作映画という理解で良いのでしょうか。(参考→映画.com、Mili Pictures、MM52.com)


 中国の「bilibili.com」にUPされていたティーザーもまた、中国の風情が感じられました(動画へのリンクは→こちら。中国国外からのアクセスだからなのか、動画の貼り付けが出来ませんでした)。2017年公開予定だそうですが、完成作が見たいです。
ping-pong_rabbit.jpg


ところで「无敌乒乓兔」で検索すると、動画がもう一つ出て来ました。こちらはプロトタイプなのでしょうか。おいおい、調べていこうと思います。


(最終更新日:2016年8月11日)

2015/01/30

コルト・マルテーズの帰還

le_retour_de_corto-maltese.jpg


 昨年2度に分けて記事をupした(→こちらと→こちら)、ヨーロッパの有名な漫画シリーズ「Corto Maltese」の話題の続き。作者名「Hugo Pratt」はイタリア人だからカナ表記は「ウーゴ・プラット」が良いのでしょうけど、シリーズ名であり主人公の名前である「Corto Maltese」のカナ表記をどうしようか、相変わらず悩んでいます。以前にも書いたように、イタリア人の描いた漫画のキャラクターだし、物語の中で主人公が生まれた頃のマルタ島の公用語はイタリア語だったそうだから、ここは「コルト・マルテーゼ」の表記で統一すれば良いのですが、生前、作者は、インタビューに伊語で答える時は「コルト・マルテーゼ」と言い(→こちらとか→こちらとか)、仏語で答える時は「コルト・マルテーズ」と言っていた(→こちらとか→こちらとか)ので、私もそれにならいたくなりました。なので、話題の出所の言語に合わせて、カナ表記を変えます。今回はフランス語。


 昨年、2014年10月7日に、フランスのウーゴ・プラットファンサイト「LES ARCHIVES HUGO PRATT」のブログに「Le retour de Corto Maltese sans Hugo Pratt(ウーゴ・プラット不在のコルト・マルテーズの帰還)」という記事が載っていました(→こちら)。


 仏新聞『ル・フィガロ』電子版の2014年10月6日付記事「Le retour de Corto Maltese fait le bonheur des premiers fans(コルト・マルテーズの帰還は、初期のファンを幸福にするだろう)」という記事(→こちら)が出典で、ウーゴ・プラット没後20年の2015年に続編が刊行されるという話です。同様のアナウンスが、フランクフルト・ブックフェアにて、Casterman社(キャステルマン社、仏語版の版元)のトップであるCharlotte Gallimard(シャルロット・ガリマール)氏によってなされたとの事(→こちら)。


 その新作は、シナリオが Juan Diaz Canales(フアン・ディアス・カナレス)氏、作画がRubén Pellejero(ルベン・ペジェヘーロ)氏の、スペイン人作家のコンビが担当するのだそうです。刊行は2015年10月。上述フランクフルト・ブックフェアの記事によると、キャステルマン社からは仏語版と蘭語版、同時にRizzoli-Lizard(リッツォーリ-リザード)社から伊語版、Norma(ノルマ)社から西語版が刊行されるそうです。当ブログ2014年11月20日付け記事(→こちら)の最後に思わせぶりな事を書いたのは、この件が頭の隅にあったからです。ちょうど今、フランスで「アングレーム国際漫画フェスティバル」が開催中ですが、「アングレーム国際漫画フェスティバル 日本語ブログ【公認】」の1月29日付記事によると(→こちら)、両氏のトークショーが予定されているとの事ですから、この件に関して新しい話が聞けるかも知れません。


 フアン・ディアス・カナレス氏は、日本では「ブラックサッド」シリーズのシナリオでお馴染みだと思います。カナレス氏のイラストブログ「Todos reyes, todos poetas(全ての王、全ての詩人)」には、過去の絵にコンラッドの小説『闇の奥』を漫画化したサンプルがあり(→こちら)、コンラッドといえば、プラットが大いに影響を受けた作家だそうですから、カナレス氏もこうして漫画化に取り組んだのでしょう。


 ルベン・ペジェヘーロ氏は1952年生まれのベテラン漫画家。フランスでは1997年に、Jorge Zentner(ホルヘ・セントネール)氏がシナリオ担当の『Le Silence de Malka(マルカの沈黙)』でアルバム賞を受賞しています。上述のウーゴ・プラットファンサイトに上がっている画像を見ると、「コルト・マルテーズ」の『Tango(タンゴ)』のワンシーンに類似したコマも描いているようです。シナリオ・作画共に熱心なプラットのファンだと思われますので、どんな風に描かれるか、拝見する日が楽しみです。


 ただ、昔ながらの熱心な「コルト・マルテーズ」ファンの中には、他の作家に描かれるのを嫌がる人もいる事でしょう。それでも、このような新作はオリジナルの宣伝にもなりますし、描き継がれる事によってキャラクターはこの世界を生き延びていくのだと思います。


 上述のフィガロ電子版には4人の有識者によるコメントが載っているのですが、その内、日本でも有名なバンドデシネ作家、エンキ・ビラル氏のコメントの文字で書かれた部分を訳してみました(動画の方はさっぱり聞き取れなかったのですが、文字版と大きな違いはあったのでしょうか…?)。

 エンキ・ビラル「とんでもない挑戦」
 「私はまず第一に好奇心を覚えた。精神に悪い病的な意味での好奇心ではなく、むしろポジティブなものだ。私はこのプロジェクトに対して、かなり好意的な感情を抱いている。しかし、私は作品を目にするのを待つ。私にとってコルト・マルテーズは、何よりもウーゴ・プラットだ。それは実に自由なトーンで描かれている。作者の自由でもある。ウーゴ・プラットはこの世の快楽主義者のようなところがあった。彼の死の20年後、彼が崇拝対象とするキャラクターが復活する事は、私の気を悪くするものではない。異なった物語進行は、権利を持つ者が許可を与えた以上、尊重されるものだ。それでもやはり、はっきり言って、それはとんでもない挑戦だ。新しい執筆者達には、その能力が無ければならない。それは単なるコピーであってはならない。それは、ほぼ、わずかにずらしたものになるべきなのではないか。この翻案がひとつのオマージュなるために。


 ところで、本国の「コルト・マルテーズ」公式サイトの「NEWS」欄によると(→こちら)、大型本英語版全12巻が順次刊行されるそうですよ。既に第2巻『Corto Maltese: Under the Sign of Capricorn』が出てる模様(→米amazon)第1巻はカラー版の小型本でしたが(→米amazon)、いつか出し直す日がくるのでしょうか。

2014/11/08

2015年アングレーム国際漫画祭のポスターは…

 突然ですが、私の名前は瓜坊(うりぼう)。ネットを漂う名も無き民草(たみくさ)。ブログ「漫画展望台」から移転して参りました。引き続き、漫画や漫画に関連した話題を書き連ねていきたいと思います。ネットの片隅のささやかなブログではありますが、どうぞよろしくお願い致します。


 さっそくの話題は、フランスで来年1月29日~2月1日に開催される、アングレーム国際漫画祭(→公式サイト)。つい先日、公式ポスターが発表されました。描いているのは、『カルヴィン&ホッブス(Calvin and Hobbes)』のビル・ワターソン(Bill Watterson)氏。慣例では、グランプリに選ばれた漫画家が次回のポスターを描き、議長を務める事になっています。今年のグランプリは、ノミネートされた漫画家の中から、作画家、ライター、カラリスト達の投票で決定されました。ただ、ワターソン氏は『カルヴィン&ホッブス』の連載が終わった1995年以来作品を発表せず、また、公の場に姿を現した事が無いとの事で、果たしてポスターの制作や議長が務まるのかと、アメリカの漫画に詳しい方々から疑問の声が挙がっていました。すみません、私はその辺りの事情は全然知らなかったのですが、グランプリに選んだからには、何らかの事が起こるであろうと思い、成り行きを注目していました。


 その間、ワターソン氏に関する様々な出来事がありました。ドキュメンタリー映画『Stripped(→公式サイト)』のポスター画や音声インタビュー出演、アメリカでの原画展(→こちら)、Stephan Pastis氏の連載漫画『Pearls Before Swine』でのコラボ(参考:英ガーディアン電子版記事)。……と、『Calvin and Hobbes』の連載終了から20周年にあたる2015年に向けて盛り上がっているようです。


 ▼そして、11月5日に発表された公式ポスターがこちら。
affiche_angouleme_2015.jpg


 映画『Stripped』と同様、「コミック・ストリップ」と「ストリップ(裸になる)」をかけたイラスト。そして、全体的なレイアウトや、くたっとした紙を束ねているような質感が、あたかも新聞1面まるごと使って掲載された漫画のようで、かつての仕事であったコミックストリップへのこだわりを感じさせます。このポスター発表にあたって、ビル・ワターソン氏は仏「20minutes」というサイトの独占インタビューに答えていたので(→こちら)、記事中のインタビュー部分について翻訳してみました。言葉の選び方や話し言葉をどう表現したら等々、色々悩みました。また、誤訳があったらすみませんです(ご指摘いただけると助かります)。

Q:あなたは、アングレーム国際漫画祭のグランプリに選ばれた事を評価しますか?
A:正直なところ、漫画祭の世界とその賞は、私の日々の関心事からは遠いものです。しかし、私の仕事を人々が高く評価し続けていると聞いて、今なお満足しています

Q:あなたは次回の議長となります。フランスに出張するつもりですか?
A:いいえ、私の参加は公式ポスターの制作をする事と、行為としては、私の仕事を用いた展覧会に提供した原画の幾つかを発送した事にとどめています。

Q:あなたはもう長い間描いていません。なぜ公式ポスターの制作を受け入れたのですか?
A:私は、それは面白い挑戦だと思いました…、そして、本当にその通りでした!

Q:このポスターで表現したかった事は何ですか?
A:私はまず第一に、私自身の仕事を連想させるものにしようと努め、それで、アメリカの日曜日の新聞の付録に見られるようなコミックストリップを読んでいる絵を描き(編集部注:『カルヴィン&ホッブス』はその形式で掲載されていました)、…そして、新聞のレイアウトの中に、あたかもそこにに載るコミックストリップの一つみたいに描くと面白いと思いました。更に、普遍的な調和のある表現にするために、私は全てのセリフを、すなわち言葉に関する全ての壁を取り除きました。ただ絵だけによる物語を語る事は、一つの大きな力――そして一つの大きな楽しみ――を漫画に与えます。その感覚によって、私は、私の仕事と同時に漫画全般が表現できればと望みます。そして、読むのが面白いメディアを描く人に敬意が表されればと。

Q:カルヴィンとホッブスはあなたを有名にしました。何故ポスターに彼らは姿を現さないのですか?
A:私は私の登場人物を、私自身の仕事以外の物事を広める為には決して使いません。そして漫画は、その全体として広めるべきです。


 ……以上、拙訳にて失礼しました。ところで、前述の映画『Stripped(→公式サイト)』、DVDがリージョンフリーで売ってるのですが、字幕が無さそうで…。日本で字幕付けて公開して頂けると有り難いのですが。アメリカの新聞とコミックストリップの貴重な歴史資料を、是非とも。


【2015年1月30日追記】今回のアングレーム国際漫画フェスティバル、「アングレーム国際漫画フェスティバル 日本語ブログ【公認】」が誕生しています。現地の模様が日本語でわかるというのは素晴らしいですね。尚、今年のグランプリは初日に発表されて、大友克洋氏が受賞したそうです(→こちら)。おめでとうございます!