2018/03/12

「CartoonMovie2018」で紹介されたティーザーの中から『BUÑUEL IN THE LABYRINTH OF THE TURTLES』と『DRAGONKEEPER』のご紹介

 「Cartoon Movie」とは、長編映画のプロデューサーが、自身のプロジェクトを進めるにあたって、資金調達を早める目的や、国境を越えたパートナーや国際的な配給会社や販売代理店を見つけるための機会を得る場。1999年から始まって、今年で20回目。2018年3月7〜9日、フランスのボルドーで開催されました。

▼Cartoon Movie 2018のサイト
cartoonmovie2018_top


 今年の作品紹介全リストは→こちら。「All projects」の他、「In concept」「In development」「In production」「Sneak preview」というカテゴリーがありますが、私の感覚では各カテゴリは、「In concept→果たして本当に映画化されるのか」「In development→果たして映画は完成するのか」「In production→いつ完成するのか」「Completed→果たして日本で上映されるのか」という感じ。毎年眺めていると、注目していたのに頓挫してしまったのかなと思わせる企画や、何年もかけて完成・公開にこぎつけるプロジェクトも。アニメ映画制作の厳しさを感じさせます。


 近年「Cartoon Movie」は、各プロジェクトが提出したティーザーをvimeoで紹介しています。どのティーザーも実に興味深いのですが、プレゼンテーション日ごとにまとめていて、お気に入りの動画を見つけるのは、ちょっと大変。プレイリストを作りたい。


CARTOON MOVIE 2018 - TRAILERS 8 MARCH (1) from CARTOON on Vimeo.


CARTOON MOVIE 2018 - TRAILERS 8 MARCH (2) from CARTOON on Vimeo.


CARTOON MOVIE 2018 - TRAILERS 9 MARCH (1) from CARTOON on Vimeo.


CARTOON MOVIE 2018 - TRAILERS 9 MARCH (2) from CARTOON on Vimeo.


 この中で、今回2つのティーザーを切り出してご紹介します。一つは当ブログ前回のエントリで取り上げたスペイン映画『BUÑUEL IN THE LABYRINTH OF THE TURTLES(亀の迷路の中のブニュエル、西語題:Buñuel en el laberinto de las tortugas)』、もう一つは前々回のエントリの最後に取り上げたスペイン・中国合作映画『DRAGONKEEPER(ドラゴン・キーパー、中国語題:守龙者)』です。

▼『BUÑUEL IN THE LABYRINTH OF THE TURTLES』


▼『DRAGONKEEPER』


 どちらも完成が楽しみです。そして、後者に関しては以前ツィッターで走り書き紹介をしたっきり(ここからツリー状に連なっています)なので、いずれもう少し詳しい記事を書きたいと思っています。


(最終更新日:2018年3月12日)

2018/01/10

ルイス・ブニュエルを描く長編アニメ映画『Buñuel en el laberinto de las tortugas』、スペインにて2018年公開予定

 明けまして2018年。私のツィッターの過去のつぶやきを読み返していたら、とあるスペイン長編アニメーション映画の制作発表記事が目に入りました。

▼当時のツィートやRTを並べると、こんな感じ。上の方から新しい順に並べています。2016年4月の出来事です。


 要するに、スペインにて、フェルミン・ソリス氏による漫画『Buñuel en el laberinto de las tortugas(亀の迷路の中のブニュエル、出版社の紹介ページは→こちら)』を、2013年にジブリ美術館の配給により日本で公開された『しわ(日本版公式サイトは→こちら)』のプロデューサーであるマヌエル・クリストバル氏によるプロデュースで、『ジャングル・ブック』や『ナルニア国物語』の視覚効果に関わった(参照元:→こちら)Salvador Simó (サルバドール・シモ)氏が監督(DIRECTOR)となり、2011年のラテンビート映画祭他で上映された『チコとリタ』の共同監督を務めたManolo Galiana(マノロ・ガリアナ)氏が動画監督(Director de Animación)を務めるという長編アニメ映画制作プロジェクトの発表があり、それは2018年春公開予定というアナウンスがあったのです。


     *  *  *


 そして2018年到来。プロデューサーのマヌエル・クリストバル氏の昨年暮れのツィートによると、本当に今年、公開される模様です。公開日は今の所明記されていませんが…。


▼この映画の公式ツィッター「Buñuel en Laberinto」には、メイキング動画を紹介するツィートも。2年前の制作発表時から、かなり絵柄が変わりました。描線も色づかいも繊細な作風ですね。



▼制作会社「The Glow Animation Studio」のサイトのtopページにも映画のサンプル動画が。
Bunuel_the_glow_animation.jpg


作品紹介のページには、ポスターとあらすじ、そして公式サイトのurl。

1930, Paris, the film The Golden Age is a scandal and Luis Buñuel, who thought he was destined to be the star of surrealism, is left with nothing. He is offered a documentary project on one of the poorest places in Spain, Las Hurdes, but he has no money.

His friend the sculptor Ramón Acín buys a lottery ticket while jokingly promising to finance the film with it. He wins and keeps his promise.

The harshness of Las Hurdes and the extreme misery of its people affect Buñuel deeply. Reality, dreams, memories of his childhood and of Salvador Dalí intermingle in his mind, endangering the production and his friendship with Ramón. From there will emerge the Buñuel of the future.

But what is left on the way? How much does that step cost?

(拙訳)
1930年、パリ。映画『黄金時代』はスキャンダルであり、シュルレアリスムのスターになる運命にあると思っていたルイス・ブニュエルには何も残されていない。彼は、スペインで最も貧しい地域の一つである、ラス・ウルデスについてのドキュメンタリープロジェクトに誘われたが、お金がない。

友達で彫刻家のラモン・アシンは、冗談めかして映画の融資に当選金を充てる約束をしながら、宝くじを買う。ラモンの宝くじは当選し、彼は約束を守る。

ラス・ウルデスの過酷さと、その地に暮らす人々の極度の窮乏は、ブニュエルに深い影響を及ぼす。現実、夢、子供時代やサルバドール・ダリの思い出が、映画制作やラモンとの友情を危険にさらしつつ、彼の心の中で混ざる。

しかし、その途中で何が残るだろうか?その歩みにはどれだけのコストを要するだろうか?

Bunuel_pelicula_cartel.jpg


公式サイトには今の所、2018という数字と英題、スタッフリスト、そして協賛会社一覧の表記のみ…。
Bunuel_pelicula_web.jpg
 今後どのようなコンテンツが加わるのか、楽しみです。この映画が公開されるのは、そして、日本で拝見出来る日がいつになるのか分かりませんが、その日を楽しみに待ちつつ、更に色々と調べていきたいと思いました。


(最終更新日:2018年1月20日)